食欲不振とは
このような食欲不振に関する症状はありますか?
- 食欲不振が続いて、体重が減ってきた
- 胃痛や腹痛があって、食欲が沸かない
- ここ2~3週間、食欲不振が続いている
- 食事が面倒に感じる
- 食事をするのを忘れることがよくある
- あっさりした食事ばかり食べるなど偏食傾向
- 食べ物の味がしない
- 食事をしてもおいしいと感じられない
食欲不振とは、食事をしたいという気が起きない、空腹を感じにくい、食事内容が偏るなどの状態のことを指します。食事をしない状態が続くと、必要な栄養素を摂取することができず心身ともに悪い影響を与えます。食べたいという気持ちが沸かないときは、そこに何らかの疾患が関係しているかもしれません。食欲不振や体重減少の症状が見られるときは、ご相談ください。
食欲不振の原因
食欲不振の原因として最も多いのが消化器(食道・胃・十二指腸・大腸・肝臓・すい臓など)の病気や不調です。胃がんの初期症状として、食欲不振が起こっている場合もあります。インフルエンザや風邪の時に、消化器の不調や食欲不振の症状が起こることもあります。
その他に、甲状腺機能低下症やストレス、生活習慣の乱れなど様々な原因が考えられます。疾患の有無を調べるためにも、食欲不振の症状が続いている方は消化器内科を受診しましょう。
食欲不振の症状が起こる疾患
過敏性腸症候群
便秘や下痢が続く、お腹の張りなどの症状は、過敏性腸症候群の可能性があります。過敏性腸症候群は、大腸に炎症などの異常がないのに腹痛や下痢、便秘などが長期間にわたって続く状態です。便秘や腹部膨満感でお腹が張って苦しいと、食欲不振の症状が現れることがあります。
機能性ディスペプシア
胃の不調などの自覚症状があるのに、検査を受けても異常が見つからない病気です。胃痛、胃もたれ、胃の不快感、腹部膨満感などの胃腸の症状が長く続くと食欲不振の症状が起こる場合があります。
逆流性食道炎
胃酸が食道の方へ逆流する病気です。近年、食生活の欧米化などが影響して患者数が増加傾向にあります。胸やけ、呑酸、胸痛、喉が枯れる、喉が焼けるような感覚などの症状があります。進行すると不眠や食欲不振などの症状が現れます。
慢性胃炎
主にピロリ菌の感染などが原因で、胃粘膜に繰り返し炎症が起こります。胃粘膜の炎症によって胃の不快感、胃もたれ、胃痛、吐き気、食欲不振などの症状が現れます。慢性胃炎は、そのまま放置していると胃潰瘍や胃がんの発症リスクが高くなります。ピロリ菌に感染している場合、除菌治療を行うことで症状は改善します。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃の中に食べ物が残っているような感覚があり腹痛や吐き気、食欲不振などの症状が起こります。胃潰瘍は、食後に痛みが起こることが多く、十二指腸潰瘍は、早朝や空腹時に痛みが起こります。そのまま放置していると胃や腸に穴が開くこともあります。ストレス、喫煙、ピロリ菌感染、食生活の乱れなどが主な原因です。ピロリ菌に感染している場合は、除菌治療を行うことで症状は改善します。
甲状腺機能低下症(橋本病など)
甲状腺ホルモンの分泌が低下すると新陳代謝が落ちて疲労感、食欲不振、無気力、むくみ、冷え、記憶力の低下、体重増加、多汗、便秘など様々な症状が起こります。甲状腺ホルモンを補うことで症状を改善していくことが可能です。
胃がん・大腸がんなど
食欲不振の検査
まずは、食欲が落ちた時期や薬の服用、既往歴、普段の食事内容などを確認していきます。
確認する主な項目
- いつから食欲不振になっているのか
- 食欲不振の状態はどのくらいの期間続いているのか
- 味覚障害があるか
- 不安や抑うつなどの症状はあるか
- 発熱や胃痛、腹痛など他の症状はあるか
- 体重が減っているか
- 常用薬やサプリメントの有無
- 周りに同じような症状の方がいるか
- 女性の場合、生理周期や妊娠の可能性
上記の内容を踏まえて、医師が必要と判断した場合、血液検査、尿検査、内視鏡検査や腹部超音波検査などから必要な検査をご案内いたします。
内視鏡検査は、食道・胃・十二指腸・大腸の粘膜を観察して病気の確定診断を行うことができます。気になる病変は、細胞を一部採取して生検を行ったり、ポリープはその場で切除することも可能です。出血している場合、内視鏡で止血処置も行うことができます。当院では、内視鏡専門医が精度の高い内視鏡検査を行っています。
食欲不振の治療
食欲不振は、原因となる疾患がないか検査で見極め、疾患があった場合は適切な治療を行うことが大切です。
検査で特に異常が見つからない場合は、生活習慣や食生活、ストレスなどの要因が考えられます。その際は、ストレスの解消や生活習慣・食生活の改善等で症状の改善を図ります。