おならの正体とは
おならの正体は、食事の時などに体内に入り込んだ空気が腸に溜まったものです。ゲップとして体外に出されなかったものが、腸へ運ばれていきます。空気の他に、腸内細菌が食べ物を分解したときに排出される水素やメタンが含まれています。
早食いや飴・ガムをよく食べると、体内に入りこむ空気の量が増えることから、おならが増加しやすいです。
おならが出るのはいいこと?
おならの成分は、二酸化炭素や水素、メタンです。腸内細菌が、運ばれてきた食べ物を分解して発生したものが体外におならとして排出されます。
おならの約7割は、口から入り込んだ空気が原因です。おならは個人差がありますが、平均して1日に7~20回程度といわれています。通常、臭いはほぼありません。おならの臭いの原因は、腸内細菌によるガスによるものです。おならの臭いが気になる、おならが増えたといった症状は、お腹の不調や腸内細菌の乱れが原因かもしれません。
おならが出やすい条件とは
悪玉菌が増える食事
脂質やたんぱく質を多く含む肉や卵などの動物性食品を中心とした食生活は、おならが臭くなる傾向があります。また、脂肪の多い食事は、消化するのに時間がかかって腸内バクテリアの発酵が起こりやすくなります。
食物繊維が豊富な食材
食物繊維が多いと消化するのに時間がかかり、酵素分解によってガスが発生しやすくなります。おならが増えた、おならが多いと感じる方は、普段の食事で食物繊維をとり過ぎていないか見直してみましょう。ただし、食物繊維は腸内細菌を整えるために必要な栄養素です。食物繊維を極端に減らすのではなく、摂取量を調整していくことをお勧めします。
炭酸飲料
段散水やビールなどの炭酸飲料をよく飲む方は、おならが発生しやすくなります。
自律神経の乱れ
自律神経が乱れると、胃腸の働きが低下して消化に時間がかかります。ストレスや睡眠不足によって副交感神経の働きが悪くなると、ガスやおならの量が増えることがあります。
おならがよく出る・おならの臭いの原因疾患
大腸がん
腸内で悪玉菌が増殖すると、大腸がんのリスクが高くなります。日本では、食の欧米化による肉中心の食生活によって、大腸がんの罹患者数は年々増加しています。腸内に発生した大腸がんによって便が通りにくくなると、長く腸内に便が留まることで、おならが臭くなる傾向があります。
大腸がんは、初期の頃は自覚症状があまり出ませんが、便秘や下痢が続く、便が細い、腹部膨満感、おならが臭い、おならが増えたなどの症状が気になったら大腸カメラ検査を受けましょう。
過敏性腸症候群
慢性的な便秘や下痢、繰り返す便通異常があって、検査で異常が見つからない時は過敏性腸症候群かもしれません。過敏性腸症候群は、緊張や不安、心理的なストレス、過労、自律神経の乱れなどが原因とされています。
悪玉菌の増殖や便秘によって、お腹の張りやガス溜まり、おならの臭い、おならが増えるなどの症状がストレスとなって外出を避けてしまう等、生活に影響が出ることもあります。
慢性胃炎
胃粘膜に慢性的な炎症が繰り返し起こることで、胃痛、げっぷ、吐き気、胸やけ、腹部膨満感、おならが増えるなどの症状が現れます。原因のほとんどがピロリ菌によるもので、除菌治療を行うことで、気になる症状も改善していきます。
慢性胃炎をそのまま放置していると、胃潰瘍や胃がんの発症リスクが高くなります。
気になる症状がある方は、早めにご相談ください。
おならの臭い改善・予防
便秘の改善・予防をしましょう
便秘の症状がある方は、便秘の治療や再発を予防することで、おならの対策になります。
- おならは、あまり我慢しない
- 便意がある時は我慢しない
- 水分をこまめに摂る
- 食物繊維をよく摂る
- 適度な運動
便秘の改善や予防を意識して行うことで、おならや腹部膨満感などの症状の改善につながります。
臭いが出やすい食べものに注意
肉類、ネギ類、ニンニクなどは、大腸で分解されるときに強いにおいが発生します。おならの臭いが強くなる食べ物の摂り過ぎには注意が必要です。また、悪玉菌の数を減らすために善玉菌が多く含まれるヨーグルトなどを食べて腸内環境を改善することも大切です。
ストレスを溜め込まない
ストレスの多い生活は、胃腸や消化器の働きを鈍くさせて慢性的な便秘や過敏性腸症候群などを発症するリスクが高くなります。心身ともにリフレッシュできる空間づくりやリラックスできる時間を過ごすことで、胃腸の働きが改善され腹部膨満感やガスの軽減につながります。