便潜血検査とは
大腸や直腸の異常な出血を検出するための検査手法の一つです。この検査は、大腸がんやポリープなどの消化器系の異常を早期に発見するために行われます。
採取した便の中に血液が混じっているかを調べる検査です。陽性となった場合、便に血が混じっているため、出血箇所を特定するために、内視鏡検査を受ける必要があります。
ごく微量な出血の場合、肉眼では判断することが難しいですが、便潜血検査であれば発見することが可能です。
便潜血検査で陽性になったら
健康診断などで行う便潜血検査で、「陽性」となった場合、すぐに大腸カメラ検査を受けましょう。大腸カメラ検査は、大腸粘膜に出血箇所が無いかを調べるだけでなく、止血処置や大腸ポリープの切除、組織の一部を採取して生検することが可能です。
便潜血検査で陽性となった原因とは
便潜血検査の陽性率は、およそ5~7%といわれており、その中で大腸がんが発見される割合は約2~3%となります。便潜血検査で陽性となった場合、そのほとんどがいぼ痔や切れ痔で排便時に出血して起こります。しかし、大腸がんが原因で陽性反応がでることもあるので、詳しく調べるために大腸カメラ検査を行いましょう。
便潜血で陽性がでても、痔による出血だろうと考えて精密検査を受けずにそのまま放置するのは大変危険です。実際に、大腸カメラ検査で大腸がんや大腸ポリープが見つかった方もいらっしゃいますので、便潜血検査で陽性となったら早めに内視鏡検査を受けるようにしましょう。
便潜血検査で陰性となったら
便潜血検査で陰性がでたからといって、大腸がんや大腸ポリープではないというわけではありません。実際に大腸ポリープがある方の7割以上、進行大腸がんがある方の約3割に、便潜血検査で陰性や異常なしの結果となっています。
大腸がんや大腸ポリープは、ある程度大きくなって便がこすれないと出血しません。そのため、初期の大腸がんやサイズの小さい大腸ポリープは検査で陰性となることがほとんどです。大腸がんは、初期に見つけることができれば体への負担が少ない治療で完治が見込めます。大腸がんのリスクが高くなる40歳を過ぎたら、便潜血検査と併せて大腸カメラ検査を定期的に受けるようにしましょう。