吐き気・嘔吐
このような吐き気・嘔吐の症状はありますか?
- 1週間以上、吐き気が続いている
- 嘔吐のあとも吐き気が治まらない
- 原因不明の急な嘔吐
- 嘔吐で水分摂取ができない
- 腹痛の症状を伴う吐き気・嘔吐
- 下痢の症状を伴う吐き気・嘔吐
- 発熱を伴う吐き気・嘔吐
- めまいや頭痛を伴う吐き気・嘔吐
- 生活に支障がでるほどの吐き気の症状がある
- いつも決まった時間に吐き気が起こる
吐き気は、嘔吐しそうな不快な感覚で、腹部不快感や食欲不振などを生じることもあります。嘔吐は、胃の強い収縮運動によって、胃の内容物が食道から口へ押し上げられる状態です。嘔吐することで、胃の中が空になり、一時的に吐き気の症状が落ち着くことがよくあります。
吐き気や嘔吐の原因の7割ほどが、胃や腸の異常や疾患によるものです。それ以外に、薬の副作用や妊娠中のつわり、ストレス、消化器以外の疾患など様々な原因で吐き気や嘔吐が起こります。
吐き気・嘔吐が起こる疾患
急性胃炎
胃粘膜に炎症が起こることで、胃痛、みぞおちの痛み、胸やけ、腹部不快感、吐き気、下血などの症状が起こります。ピロリ菌感染、飲酒、暴飲暴食、刺激物の多い食事などが原因です。胃炎をそのまま放置していると、胃粘膜の修復力が低下して胃潰瘍になる場合があります。大出血が起こることもあり、その際は緊急の胃カメラで止血処置を行います。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
ピロリ菌感染、鎮痛剤、ストレスなどが主な原因で、胃や十二指腸の粘膜に潰瘍ができた状態です。胃潰瘍は、食後のみぞおちの痛み、不快感などの症状があります。十二指腸潰瘍は、空腹時や早朝にみぞおちの辺りがシクシク痛みます。その他、胃もたれ、食欲不振、吐き気、黒い便(タール便)などが出ることもあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍は、胃カメラ検査で診断が可能です。
胃がん
胃がんは、ピロリ菌に感染していると発症リスクが高くなります。初期の頃は、あまり自覚症状がありませんが、進行すると吐き気や腹痛を起こすことがあります。胃がんは、早期に発見することができれば、体への負担が少ない内視鏡による治療が可能です。健康診断などでピロリ菌を指摘された方は、早めに除菌治療を行いましょう。
虫垂炎(盲腸)
異物や糞石などが原因で、虫垂内が閉塞すると細菌感染によって炎症が起こります。みぞおちやへその辺りが突然痛くなる、痛みが徐々に右下腹部に移動する、発熱や吐き気、嘔吐を伴うといった症状があります。虫垂炎をそのままにしていると、腹膜炎など重篤な合併症が起こる場合があります。気になる症状がある方は、早めに検査を行いましょう。
腸閉塞(イレウス)
腸管内に腫瘍や、機能障害、ねじれ(腸捻転)などが起こり、水分や消化分泌液、ガスなどが通過できず塞がれてしまう状態です。最も多いのが、腹膜炎や腹部の手術後に、腸が癒着して起こる腸閉塞です。
主な症状は、吐き気、嘔吐、発熱、呼吸障害、腹痛、食欲不振などがあり、早期に適切な処置を行う必要があります。
腹膜炎
急性虫垂炎や胃がん、胃潰瘍、十二指腸潰瘍によって穿孔ができると、細菌感染によってお腹の内側にある腹膜に炎症が起こります。
吐き気、嘔吐、発熱、呼吸障害、腹痛などの症状が現れます。お腹の痛みは、我慢できないほど激しい痛みが腹部全体に起こり、痛みは持続的で完全に消えることはありません。
腹膜炎は、発症してから時間が経つにつれて死亡率が高くなる危険な疾患です。
吐き気・嘔吐の検査
吐き気や嘔吐は、さまざまな原因が考えられます。吐き気や嘔吐以外に、胃痛や腹痛などの症状が無いか、既往歴、直前までの食事内容、常用している薬の有無について診察で詳しく伺います。診察で医師が必要と判断した場合、内視鏡検査で病気の診断を行います。
当院は、内視鏡専門医が精度の高い胃カメラ検査を行っています。鎮静剤を使用して、苦痛に配慮しているので楽に検査が受けられます。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
吐き気・嘔吐の治療
吐き気や嘔吐は、診察や検査で原因を調べて、原因に合わせた治療を行います。吐き気がひどい時は、背中をさすってもらう、横向きで休む、冷たい水でうがいするなど試してみてください。嘔吐で水分摂取がうまくできないと、脱水症状を起こす場合があります。水分が摂れない時は、すぐに医療機関を受診しましょう。