このような症状はありますか?
- 普段と変わらない食事をしているのに体重が減っている
- ダイエットしているわけでもないのに、急に体重が減った
- 食欲が沸かず体重が減ってきた
- 食事制限や運動をしていないのに、洋服のサイズが緩くなった
急な体重減少は、体に何らかの異常が起こっている可能性もあります。
上記の症状に当てはまる方は、一度ご相談ください。
体重減少の原因
栄養不足
食事の偏りや虫歯などの疾患、嚥下障害などが原因で体重が減ることがあります。食生活の改善、歯科治療など原因に合わせた対策が必要です。
消化不良・吸収不良
胃に運ばれた食べ物は、消化酵素などによって消化された後、十二指腸で胆汁や膵液によって分解されます。胃、十二指腸、大腸などに異常があると、十分に影響を吸収することができず、次第に体重が減少していきます。
代謝・内分泌異常
体内で血糖を下げるインスリンが不足すると、ブドウ糖が細胞内に入り込むことができずに、糖代謝障害を引き起こすことがあります。食事から摂取したブドウ糖をエネルギーとして使わずに、体内の脂肪やたんぱく質をエネルギー源とすることで、食事をしても体重の減少がみられます。その他に、疲労、脱力感、空腹、ふるえ、思考力の低下、などの症状がみられます。血糖値が高い状態が続くので、多尿による口の乾きや多飲などの症状も現れます。
炎症性疾患
関節リウマチや結核などの炎症性疾患が原因で、常に体力の消耗やエネルギー不足が起こり、体重が低下していきます。
サルコペニア・フレイル
サルコペニアは、筋肉量の減少や身体機能の低下、フレイルはそれに加え社会性や精神機能などに支障をきたしている状態を指します。 加齢によって筋肉量の減少や身体能力の低下が起こると、減量やダイエットをしていないにも関わらず体重が減った、歩行速度や握力が低下した、足腰が痛い、なんとなく体調が悪いなどの症状がみられます。予防や改善には、適度な運動とバランスの摂れた食事を心がけることが大切です。
体重減少が起こりやすい疾患
糖尿病
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
過剰に分泌・産生された甲状腺ホルモンによって、新陳代謝が活発になることで、体力の消耗が激しく疲れやすい、汗をかく、動悸などが続き、体重減少が起こります。
うつ病
憂うつな気分が続く、気分の落ち込み、喪失感から食事がまともに摂れない状態が続くと、体重減少につながります。
慢性膵炎
初期の頃は、上腹部痛や背部痛などの症状が現れます。進行すると膵臓の機能が低下して消化不良が起こることで体重減少の症状がみられます。
膵臓がん
膵臓がんによって、膵液の流れが滞ると消化吸収する働きが弱くなります。十分に栄養を摂取することができず、次第に腹痛、体重減少、黄疸などの症状が現れます。
胆道がん
消化吸収する膵液を分泌する胆のう・胆管にできる胆道がんは、進行すると消化吸収する働きが低下して体重減少や食欲不振、嘔吐、悪心、倦怠感などの症状が起こります。
逆流性食道炎
胃の内容物が食道の方へ逆流することで、食道粘膜に炎症が起こります。胃痛や胸やけ、胃もたれ、食欲不振の症状から体重減少が起こることがあります。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃がん
胃がんによって、胃痛、胸やけ、食欲低下、吐き気などの症状から、次第に食事量も低下して体重減少が起こることがあります。
大腸がん
大腸がんは、がん細胞が増殖するために体内の脂肪やたんぱく質を分解することで、体重減少の症状が現れます。
体重減少で行う検査・治療
検査
問診や診察で症状を詳しくお伺いし、医師が必要と判断した場合は、体重減少の原因を確認するために血液検査や尿検査、便潜血検査、内視鏡検査などを行います。
体重減少の治療法
検査の結果、疾患が見つかった際は、原因となっている疾患に合わせて適切な治療を行うことが大切です。検査をしても原因がはっきりしない時は、薬物療法の他に食生活や生活習慣の改善、ストレスの緩和などアドバイスしながら経過観察していきます。
体重減少を予防するには
少量の食事を数回に分けて摂取する、食事の合間に高カロリーサプリメントを摂るなどの工夫によって、体重減少の症状改善につながることもあります。 極端な食事や過度なダイエットは、慢性的なエネルギー不足から体重減少につながります。炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルを普段の食事でバランスよく摂取するようにしましょう。